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【コラム】「千葉市避難行動要支援者名簿に関する条例」について

千葉市役所の危機管理課にヒアリングをさせていただきました。

 

千葉市は、昨年12月に、「千葉市避難行動要支援者名簿に関する条例」を制定しました。

 

千葉市は、この条例ができる前から、個人情報保護審議会の答申により、(本人の同意の有無にかかわらず)平常時から民生委員や消防部局と「災害時要援護者」の名簿を共有し、災害対策・見守り活動に活用していました。

 

「千葉市避難行動要支援者名簿に関する条例」は、市が保有する「避難行動要支援者」に該当する者の個人情報を、本人から拒否の意思表示がない限り、平常時から、自主防災組織、町内自治会、マンション管理組合等に提供できるようにしたものです。

 

「本人の同意」だけを要件とすれば、災害時に助けをが必要な者の個人情報の共有が進まないおそれがあります。そこで、平常時から、本人の積極的な同意がなくても、個人情報共有を認める条例を制定し、対応しようというわけです。

 

2013年の災害対策基本法『第2弾』改正の趣旨にも合致する、先進事例といえるでしょう。 

 

実は、あえてこの条例を定めなくても、千葉市個人情報保護条例に基づいて、審議会答申を得ることで事前共有を認める範囲を拡大するという方法もあります。ただ、条例を定めることで、個人情報の共有を、より明確に根拠づけることができ、地域の当事者意識向上にも資するというメリットがあります。また、担当部局としても、議会を通した条例に基づく政策であれば、地域の啓発が容易になります。

 

千葉市は、名簿情報の共有について、秋からの運用開始を目指します。同時に、情報システムの改修も必要になってくるでしょう。注目して参りたいと思います。

 

個人情報を地域で適切に共有し、災害発生への備え(=日ごろからの見守り、名簿情報の更新、声掛けなど)を実現していただきたいと思います。

 

千葉は、県庁で説明会講師を担当させて頂いたり、千葉市議会に有識者参考人として招聘された経験があったりなど、何かとご縁ができています。私の出身地である鎌倉とも横須賀線・総武快速線が1本で繋がっていますしね。

 

参考 [千葉市長ブログ]

http://kumagai-chiba.seesaa.net/article/374594197.html

 

関連コラム [岡本正総合法律事務所]

「自治体の個人情報保護と共有の実務」の読み方・使い方

http://www.law-okamoto.jp/news/409.html

 

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