【ご挨拶】岡本正「災害復興法学Ⅱ」(慶應義塾大学出版会)を発刊しました
『災害復興法学Ⅱ』(2018年7月発売)を慶應義塾大学出版会より発刊させていただきました。謹んでご報告いたしますとともに、心から御礼を申し上げます。
本書は、2014年9月に発刊した『災害復興法学』の続刊であり、単著書籍としては博士論文を書籍化した『災害復興法学の体系:リーガル・ニーズと復興政策の軌跡』(勁草書房)に続く3冊目となります。
前作『災害復興法学』では、2011年3月11日の東日本大震災後の法律家の活動を、4万件を超える被災者無料法律相談データの分析結果とともに描きだしました。そして、震災直後から3年間ほどの防災・復興に関する法制度改正・復興政策の軌跡をドキュメンタリーで記述してまいりました。
『災害復興法学Ⅱ』は、前作エピローグでの前振りを、今作プロローグで受けとり、その後の復興政策の軌跡を連続して追いかけていただけるように工夫しました。東日本大震災に加え、竜巻、雪害、大規模火災、広島土砂災害をはじめとする豪雨災害、熊本地震等を経て、新たに発生した法的課題とそれらを克服したプロセスを、前作同様、復興政策ドキュメンタリーとして紹介しております。東日本大震災、熊本地震、広島土砂災害の合計5万2000件を超えるリーガル・ニーズの分析結果についても記述しました。
もちろん、『災害復興法学Ⅱ』だけでも問題なくお読みいただけます。また、どの章からでも読み始めていただけるようになっております。是非お手に取ってくだされば幸いです。前作については、高校生からお便りを頂戴する嬉しい出来事もありました。
慶應義塾大学法科大学院で7年、法学部で6年。その間、中央大学大学院客員教授としても4年間、「災害復興法学」講座を実施して参りました。『災害復興法学』及び『災害復興法学Ⅱ』は、これまで2000名以上の学生らに伝えてきたことや、皆様との協働の集大成であり、この国の未来を担う方へのメッセージが届けばこの上ない慶びです。
2018年7月 吉日
弁護士・博士(法学) 岡本 正
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