【コラム】芦屋市消防署高浜分署の訓練設備を見学しました(写真報告)
2019年1月10日、芦屋市消防本部・芦屋市消防署高浜分署の灘本所長・消防司令のご案内で、署内の訓練設備を見学する機会に恵まれました。簡単に概要と写真報告をさせていただきます。
芦屋市の南側の初期埋立地である高浜町エリア。古くは1969年から埋め立てが開始されている。そこに1979年以降数年かけて開発された、建築史に名を轟かせる高層団地・分譲マンション群がある。一部は兵庫県営住宅であり、ほとんどは「ASTM(アステム)芦屋」という分譲マンションだ。竹中工務店が中心となったJV事業で、レゴブロックを組み合わせたような構造。芦屋の山から見下ろしてもかなり目立つ。この団地の構造だけでも相当の特集が組めるはずだが、今回はメインではないのでまたの機会に譲ることにする。
さて、このすぐ隣地において、2018年11月に「街開き」となったのが「高浜町1番住宅等大規模集約事業」による公営団地と各種公共施設である。老朽化した市の公共住宅を集約し、消防署も一体整備した。その消防署こそが、2018年2月に竣工し、一足早く稼働している「芦屋市消防署 高浜分署」である。大規模地震に耐える堅牢な構造に加え、住環境に配慮した防音、排気ガス浄化設備、雨水利用設備、高度な訓練施設を備えている。
最上階の屋内訓練施設と屋上は、真っ黒な壁で完全な暗闇をつくることができる。部屋の間仕切は完全可動式で、公共施設、居酒屋、カラオケボックスなど火災が起きやすい場所の間取りを完全再現できる。濃煙発生装置でスモークを炊き火災現場の厳しい環境も体感できる。鉄板切断、屋内侵入訓練なども実施可能だ。屋上訓練用バルコニーでは、高所作業、引き上げ訓練、マンション救助を想定した設備などがある。
消防車や救命艇がならぶガレージでは、巨大な放水訓練用の壁がある。壁の材質や形状も音が広がらないような構造になっているなど住環境にも配慮している。
内部の指令室・休憩待機場所・仮眠室・宿直室なども見学させていただいた。万一洪水、高潮、津波で浸水した場合を想定して自家発電施設はもちろんのこと、2階以上でのネット環境や温かい食事提供環境も完備している。市民救助の要となる隊員の仕事場としても安心だ。
芦屋市の職員の皆様、お忙しいところお時間を割いてくださり、心より感謝を申し上げます。