【コラム】改正災害対策基本法が4月に施行「避難行動要支援者名簿」をどうするか
平成26年に災害対策基本法が改正され
自治体や地域の個人情報政策に大きな影響を与える制度が3つ新設されました。
【1】災害時の安否確認
【2】災害後の被災者台帳整備
そして
【3】「避難行動要支援者名簿」の事前整備です。
【1】と【2】は2013年10月から施行されており、
台風26号台風大島土砂災害においては【2】の被災者台帳制度新設のおかげで
東京都と大島町の協働による被災者支援が実現しております。
2014年4月、ついに【3】避難行動要支援者名簿
に関する法律が施行されます。
簡単に述べると、次のような内容です。
◆自治体における「避難行動要支援者名簿」の作成義務
悉皆性のある網羅的な名簿を本人同意の有無にかかわらず作成する必要があります。
◆自治体から名簿情報を支援団体や関係機関等に提供する政策の推進
名簿共有条例、審査会の答申、などを活用して平常時から「避難行動要支援者名簿」の情報を地域で共有し、見守り活動や防災活動に活用する際の法律や条例の関係を整理しています。これは、本人同意以外のプロセス(災害条例や審議会答申)を整備する政策を推進しているものと考えます。
ただ、地域ではなかなか政策が進んでいないようです。
「要支援者名簿、悩める市町村、ネックは「個人情報の管理」」(産経新聞2014.3.16)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140316/dst14031611030003-n1.htm
「14自治体が「要支援者名簿」作成未着手 4月義務化スタートに間に合わず」(産経新聞2014.3.16)
http://sankei.jp.msn.com/
このような混乱をやわらげ、
地域における個人情報の活用を促進し、
地域防災力の向上を願って刊行したのが、
「自治体の個人情報保護と共有の実務」(2013年10月、ぎょうせい)です。
http://www.amazon.co.jp/dp/4324097542/ref=cm_sw_r_tw_dp_zSMjtb0J4REHX
災害対策基本法改正に対応しており、「避難行動要支援者名簿」や「災害時要援護者名簿」の平常時からの共有のノウハウを詰め込んだ書籍です。共著者の山崎准教授は、上の産経新聞の記事でコメントもされています。
また、平成25年度の消費者庁主催の個人情報保護法説明会の資料が公表されました。私が外部講師を担当した、地域防災と個人情報に関する講演資料も公表されましたので、ぜひご活用いただきたいと思います。
http://www.caa.go.jp/seikatsu/kojin/kouenkai/13index.html
前回コラム(消費者庁主催の講演資料の公表)
http://www.law-okamoto.jp/news/897.html
現状の運用を大きく改める必要がある自治体もあるため
改正災害対策基本法への対応は決して楽ではないようです。
今回紹介したコンテンツが、地域防災と情報政策に
すこしでもお役にたてれば幸いです。