活動実績

【リーフレット】東京都住宅政策本部『東京仮住まい~今考えよう。地震後の暮らしを守るために~』(2020年3月)

2019年10月、東京都による大学提案事業「首都直下地震時の仮設住宅不足への対応準備事業」の一環として、大規模災害時における仮住まいの確保のための自助・共助・公助策について、専門的見地から助言・提案を得ることを目的として、学識経験者等からなる「東京都防災・仮住まい検討会」が設置されました(2019~2020年度事業)。座長は専修大学の佐藤慶一教授です。岡本正は検討会委員を拝命しています。

 

2019年度の成果物のひとつとして、リーフレット『東京仮住まい』を作成しました。首都直下地震が発生すれば、最大約720万人の避難者が想定されています。また、その後に92万戸の「仮住まい不足」が試算されています。

 

私たち一人ひとりが、仮の住まいについてどうするかを日頃から考えておかなければならないのです。その一助として、リーフレットを作成し、防災訓練やワークショップの教材として活用していくことにしました。

 

リーフレットは、折りたたみ式の大判A2サイズとなっており、広げると表面に「フローチャート」が示されています。住まいの防災、その後の地震被害発生からスタートし、避難生活における住まいの選択肢を、大きく8つの視点で概観できるようになっています。まずは基本的にどのような制度が用意されているかを知ることから始めることができます。また、現在の家族構成や備蓄状況などのメモを記述する「住まいのチェックリスト」欄も設けられています。

 

裏面には、表面のフローチャートに対応した知識とコラム、考える視点が示されています。ここには検討会委員の知見とアイディアが詰まっています。「7仮住まいの選択」では東京湾北部地震で多数の倒壊建物が想定され、応急仮設住宅は仮住まいのうち2~3割でしかないこと、7~8割は被災者自らが仮住まいを確保しなければならないことを明確にしています。これは、現実をしっかりと把握するうえで重要な記述と考えます。

 

 

また、裏面の「5り災証明書」や「8被災後のお金の話」などの欄にも注目いただきたいと思います。物理的な住まいのハード施策だけではなく、お金や生活再建に関わる知識の事前習得の必要性を述べています。これまでの「災害復興法学」の活動や、知識の備えの防災教育「被災したあなたを助けるお金とくらしの話」の視点を取り込んでいただきました。

 

 

 

(東京都住宅政策本部からリーフレットをダウンロードできます)

リーフレット「東京仮住まい」

(東京都防災・仮住まい検討会委員/オブザーバー関連団体)

委員
・佐藤 慶一 専修大学ネットワーク情報学部教授
・大月 敏雄 東京大学大学院工学系研究科建築学専攻教授
・浅野 幸子 減災と男女共同参画研究推進センター共同代表、早稲田大学地域社会と危機管理研究所招聘研究員
・石井 美恵子 国際医療福祉大学大学院教授
・岡本 正 銀座パートナーズ法律事務所弁護士、岩手大学地域防災研究センター客員教授
・佐藤 隆雄 国立研究開発法人防災科学技術研究所客員研究員

関係団体
・全国建設労働組合総連合東京都連合会
・一般社団法人東京建設業協会
・一般社団法人全国木造建設事業協会
・一般社団法人日本木造住宅産業協会
・一般社団法人プレハブ建築協会
・公益社団法人全国賃貸住宅経営者協会連合会
・公益社団法人全日本不動産協会東京都本部
・公益社団法人東京都共同住宅協会
・公益社団法人東京都宅地建物取引業協会
・公益財団法人日本賃貸住宅管理協会