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【新聞コメント】朝日新聞「東日本大震災10年へ 3・11の現在地 住宅ローン減免制度、頼ったが/再建、二重ローンを覚悟/集団移転先に新居、80歳まで続く返済/災害続き、広がる公助」

朝日新聞(2020年11月11日 朝刊 1-2面)「東日本大震災10年へ 3・11の現在地 住宅ローン減免制度、頼ったが/再建、二重ローンを覚悟/■集団移転先に新居、80歳まで続く返済/■災害続き、広がる公助」

二重ローン問題や被災者生活再建支援法の2020年改正の動きに関連して、岡本正がコメントしました。災害復興法学で従来より提言している「半壊の涙」のキーワードを取り上げていただきました。取材に関わる部分のみを抜粋させていただきます。

 

「東日本大震災後も、熊本地震や西日本豪雨、台風19号など激甚災害が相次ぎ、公助は拡大している。とりわけ指摘されてきたのが、壊れた家を直して住むケースだ。被災者生活再建支援法でお金が支払われるのは「全壊」や「大規模半壊」の世帯で、「半壊」は対象外だった。支援が手薄で家を直せず、「半壊の涙」という言葉も生まれた。

国も制度の見直しに動き、菅義偉首相は10月下旬の所信表明演説で法改正を表明。半壊の一部にも最大100万円を支給する。こうした動きへの評価は分かれる。

被災者支援制度に詳しい岡本正弁護士は「法改正は一歩前進だが、そもそも十分な金額とは言えず、自宅の補修費をさらに拡充するなど今後も公助の枠組みを広げるべきだ」と主張する。一方、防災科学技術研究所の林春男理事長は「無原則に公助を拡大すると、巨大災害が起きた時に財源が足りなくなる恐れがある」と懸念する。

南海トラフ地震の被害想定は最大で約209万棟が全壊・全焼し、経済的被害は約214兆円。首都直下地震でも最大約61万棟が全壊・全焼し、被害が95兆円にのぼると想定される。」