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【視察報告】防災教育学会エクスカーション「地図から紐解く神戸と災害」備忘録・写真

2022年6月18日、2022年度第3回防災教育学会学術大会の前日エクスカーションに参加。兵庫県立大学大学院減災復興政策研究所名誉教授の森永速男先生による解説で、まさに「防災ブラタモリ」ともいうべき贅沢なエクスカーションプログラムとなった。現地の様子を撮影した写真をメインに記録に残しておく。

 

テーマは、地図から読み解く、神戸の水害・治水の歴史で、新開地・湊川公園を起点に、「湊川隧道」遺構見学などを行なった。

 

詳しい説明は別の記事に譲りますが、神戸市地下鉄の湊川公園駅(兵庫区役所・消防署のある公園)やそこから広がる「新開地」エリアは、かつて湊川(旧湊川)だった。川底が高く所謂「天井川」になっており、堤防を積み上げても荒れ狂うような氾濫を避けられなかったという。そこで、1901年(明治34年)に「湊川の付け替え」工事という、前代未聞の大工事が敢行された。このとき旧湊川は、途中で西に大きく流れを変更させ、その区間は巨大なトンネル(隧道・ずいどう)となった。旧湊川は高い堤防と共に埋め立てられ、大地のような地形となり、そこから坂を下る地に、新しい街「新開地」が出来上がったのである。なんともダイナミックな街づくり。

湊川公園から、「神戸の台所」湊川市場商店街を上流に遡ると川の付替えポイントにぶつかり、そこから西側に深い土手。その先に「湊川隧道」である。なお、現在の湊川隧道は2000年に新しく作られたトンネルである。そのすぐ脇には、1901年から2000年まで実に100年間現役だった巨大な隧道遺構が残る。年に1回は「通り抜け」ができ、月1回は半分ほど中を見学できる。エクスカーションはその月1の公開日と同じにになった(なんとこれは偶然の幸運だった。)。

 

湊川隧道>湊川隧道保存友の会

 

湊川や新開地周辺の地名にはかつての水害を彷彿とさせる地名が残る。「菊水」「湊川」「荒田」「上沢通」「下沢通」「三川口」「水木」など。この「水木」は、あの「水木しげる」先生のペンネームの由来だというので驚いた。

 

また、新神戸から三宮まで南北に続く長い坂道。これも「旧生田川」を埋め立てたもの。今は「フラワーロード」とよばれる幹線道路になっている。生田川も天井川なので、新神戸から三宮につくと、東西にのびる線路沿いの繁華街までは下り坂になる。堤防が高く、そこから下って三宮の繁華街が広がっているのがわかる。

フラワーロードと旧生田川>フラワーロードは昔、生田川だった(神戸市)

 

 

(旧湊川隧道)

 

(新湊川と新しい隧道入口)

 

(阪神・淡路大震災で大きな被害を受けた松本通の現在・水路が整備された)

(牧野富太郎植物研究所跡)

2023年春の朝ドラ「らんまん」(主演:神木隆之介)のモデルが、植物学者の牧野富太郎先生。

 

(大楠公湊川陣之遺蹟)

 

(湊川公園/第3回防災教育学会エクスカーション)

 

 

(まけないぞう)