活動実績

【講演/パネルディスカッション】(日本集団災害医学会総会・学術大会)「災害時救護活動に必要な法知識/医療専門職のための災害法制研修プログラム―災害救助法・安全配慮義務・生活再建知識の備え―」

2018年2月2日 第23回日本集団災害医学会総会・学術大会(プログラム・抄録集 vol.22 N0.3 January 2018)JADM

パネルディスカッション4「災害時救護活動に必要な法知識」

座長 植田信策(石巻赤十字病院)

江川孝(福岡大学薬学部)「九州北部豪雨災害における薬事関連案件への対応」

近藤祐史(日本赤十字社医療センター)「災害時の死因究明における法的課題」

橋本雄太郎(杏林大学総合政策学部)「大規模災害時における病院前救護をめぐる法律問題」

 

岡本正 「医療専門職のための災害法制研修プログラム~災害救助法・安全配慮義務・生活再建知識の備え~」

Tadashi OKAMOTO ; Disaster Legal Training Program for Medical Professionals

 

自然災害発生後の生命身体の救護活動や、その後の被災者の精神的・社会的健康の回復支援を担う医療・看護・福祉の専門職は、現場の豊富な経験技術を伝承するのはもちろんこと、時にぶつかる規制の壁や課題について、国や自治体に的確にフィードバックし、政策提言をすることも求められている。そこで、医療専門職が政策提言や現場での柔軟な施策運用に寄与できるよう、「災害法制度に関するリーガル・リテラシー」の基礎知識を習得する研修プログラムの展開を提唱したい。項目は多岐に亘るが、パネルでは、特に重要となると思われる「①避難所環境改善のための災害救助法の特別基準の徹底活用」「②災害後を生き抜くための生活再建制度の知識の備え」「③トリアージの現場が抱える法的課題」「④医療福祉施設の管理者としての安全配慮義務を意識した事業継続計画(BCP)の策定」をごく簡単に紹介する。東日本大震災4万件以上の弁護士無料法律相談事例分析と内閣府における復興政策関与の実績から創設した『災害復興法学』に基づく研修プログラムである。災害救護や被災者支援に従事する専門職研修や、病院や事業者単位での研修として組み込むべきことを提言する。