【コメント】(AERA dot.)「2020年、次の巨大地震はどこか 最新科学が警告する「南海トラフより切迫」のエリア」
「2020年、次の巨大地震はどこか 最新科学が警告する「南海トラフより切迫」のエリア」AERA dot.(アエラドット)2020年1月3日午前11時00分配信
https://dot.asahi.com/dot/2020010100004.html
岡本正の災害法制度に関するコメントが「AERA.dot」の特集記事に掲載されました。
政府が対策をしていないわけではない。避難所の運営は原則として市区町村の自治体が運営することになっている。それが、大きな災害になって国が定める災害救助法が適用されると、救助に必要な部分の費用は都道府県や政令指定都市、国が負担することになる。『自治体職員のための災害救援法務ハンドブック 備え、初動、応急から復旧、復興まで』の著書がある岡本正弁護士は、こう話す。
「同法が適用されることで、政府は自治体向けに避難所環境の整備などについて様々な『通知』を出します。実は、そこにはトイレや食事、ベッドなどを準備するように明確に書かれています。しかも、必要な費用は法律にもとづき国や都道府県が負担することになるので安心です。しかし、現場で避難所を運営している自治体職員やボランティアらでも、そのことを知らない人が多い」
内閣府が作成した「避難所運営ガイドライン」にも、「復旧期(4日目以降)は、簡易ベッドを確保すること等が期待」、「すべての被災者が安心してトイレを利用できるよう、障害者や女性等の意見を積極的に取り入れる」と書かれている。にもかかわらず、日本では避難所生活を原因とした災害関連死が多いのはなぜか。岡本氏は言う。
「日本では『被災者はガマンするもの』という考えが強く、避難所の環境に不満があっても声に出さない人が多い。被災者も、避難所を運営するスタッフも、災害救助法や国が示したガイドラインをよく理解し、『トイレが足りない』『ちゃんとした温かい食事を出してほしい』という要望が、健康を守るために必要であることを知ってほしいと思います。それは、平時からの避難所運営訓練の質の向上や、備蓄品の充実にもつながってくるはずです」
いざという時のために、一人ひとりが避難所運営のガイドラインを知っていることが、自らの健康を守るための武器になる。