新型コロナウイルス感染症と経済支援:公共料金・保険料・銀行ローンの「支払猶予・支払期限延長」支援のまとめ暫定版(2020年3月28日投稿)
新型コロナウイルス感染症と経済支援:公共料金・保険料・銀行ローンの「支払猶予・支払期限延長」支援のまとめ暫定版(2020年3月28日投稿)
新型コロナウイルス感染症のまん延による経済的影響が深刻です。これを受けて、政府所管省庁からの要請もあいまって、すでに公共インフラの契約者向けの支援が、事業者から発表されています。業種によっては、対象者はかなり限定的ではありますが、得られる支援であれば逃さないようにしてほしいと思います。
ざっとウェブを巡回した程度なので不十分であることを承知の上、公共料金に関する「支払い猶予/支払い期限の延期」の支援措置をまとめておきます。ここで挙げた情報はごく典型的かつ代表的なもので、流動的なものであることにご留意いただければと思います。ここに記述がない事業者のことや詳細については、直接契約先にご確認いただければと思います。
■携帯電話・固定電話・プロバイダ等
〇総務省「新型コロナウイルス感染症拡大に伴う料金支払期限の延長等の措置に関する取組状況」(3月27日更新)に関連事業者のウェブサイトが一覧になっています。各社のウェブサイトには契約者向けの料金に関するお知らせがリリースされています。
https://www.soumu.go.jp/menu_kyotsuu/important/kinkyu02_000398.html
携帯電話の大手三社を例に挙げておきます。
〇NTTドコモ「新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえた料金請求の取り扱いについて」(3月19日)
https://www.nttdocomo.co.jp/info/notice/page/200319_00_m.html
〇KDDI・沖縄セルラー「新型コロナウイルス感染症の影響拡大に伴う料金請求の取り扱いについて」(3月19日)
https://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2020/03/19/4339.html
〇ソフトバンク・ウィルコム沖縄「新型コロナウイルス感染症の影響拡大に伴う料金支払期限の延長について」(3月19日)
https://www.softbank.jp/corp/news/info/2020/20200319_01/
これらは「生活不安に対応するための緊急措置」(令和2年3月18日 新型コロナウイルス感染症対策本部)を踏まえた総務省から電気通信事業者関連4団体への要請をきっかけとするものです。
https://www.meti.go.jp/press/2019/03/20200319008/20200319008.html
■電気・ガス料金等
〇東京電力エナジーパートナー「新型コロナウイルス感染症の影響に伴う電気・ガス料金の特別措置について」(3月19日)
http://www.tepco.co.jp/ep/archive/20200319.html
〇東京ガス「2020年 新型コロナウイルス感染拡大に伴うお客さまに対するガスならびに電気料金の特別措置について」
https://www.tokyo-gas.co.jp/important/20200319-01.pdf
トップページ(https://www.tokyo-gas.co.jp/)
これらは「生活不安に対応するための緊急措置」(令和2年3月18日 新型コロナウイルス感染症対策本部)を踏まえた経済産業省から電気・ガス等事業者への要請をきっかけとするものです。
https://www.meti.go.jp/press/2019/03/20200319008/20200319008.html
このほか、経済産業省は中小企業・事業者向け支援策のわかりやすいパンフレットをつくり、随時更新しています。ぜひ目を通してください。
経済産業省「新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様」(随時更新)
https://www.meti.go.jp/covid-19/index.html
■生命保険契約・損害保険契約の保険料
生命保険協会、日本損害保険協会、外国損害保険協会、日本少額短期保険協会に加盟する保険会社各社は、保険契約の保険料金の払込みについて、支払い猶予・延期措置を講じています。具体的な手続きや手続きの可否については直接保険会社へ問い合わせてください。ここでは各協会によるお知らせページを挙げておきます。
〇生命保険協会「新型コロナウイルス感染症に係る特別取扱いについて」(3月17日)
https://www.seiho.or.jp/info/news/2020/20200317.html
〇日本損害保険協会「新型コロナウイルス感染症によりご契約者が影響を受けられた場合の特別措置について」(3月13日)
https://www.sonpo.or.jp/news/notice/2019/2003_02.html
〇外国損害保険協会「新型コロナウイルス感染症によりご契約者が影響を受けられた場合の特別措置について」(3月16日・随時更新)
協会トップページ https://www.fnlia.gr.jp/
〇日本少額短期保険協会「新型コロナウイルス感染症により影響を受けられたご契約者の皆様へ」(3月13日)
http://www.shougakutanki.jp/general/info/2019/news20200313.pdf
これらは金融庁「新型コロナウイルス感染症に伴う金融上の措置について(要請)」(3月13日)を踏まえたものです。
https://www.fsa.go.jp/news/r1/hoken/20200313-2/01.pdf
■銀行など金融機関による支払延期・元金据置等の支援
銀行などへのローンの支払は深刻な問題です。金融庁は、各金融機関において講じるべき措置や実績についてもまとめています。あきらめずに窓口へ相談することが大切です。すでに全国各地の都道府県弁護士会などでは弁護士の無料電話法律相談などのサポートもあります。まずは金融機関や専門家に「なんでも」「どんなことでも」「法律問題でなくても」相談をしてみてください。
金融庁「新型コロナウイルス感染症を踏まえた金融機関の対応事例」(3月27日時点)
https://www.fsa.go.jp/news/r1/ginkou/20200327/01.pdf
銀行ローンに関する対応は東日本大震災のときのように年単位での一律の猶予方針などが示されているわけではないようです(3月28日時点)。金融庁が銀行にヒアリングした結果、数か月単位での猶予措置はすでに多く実績があるようです。
○ 事業者からの条件変更等の相談があった場合には、審査を行うことなく、まずは、3ヶ月の元金据置ないし期限延長を実施
○ 事業者からの相談を受け、これまでの事業実績の評価に基づき、今後も事業を継続させていくため、1年間の元金据置・期限延長を実施
○ 受注が大幅に減少した事業者に対し、積極的な支援策としてまず1年間の元金据置を実施。将来の資金面の見通しがついた時点で、見通しに合わせ返済期限を柔軟に延長予定
○ 返済財源等に見通しが立たない場合に、一旦、6ヶ月程度の短期資金の貸出で対応し、その間に資金面・事業面でどの様な対応策が考え得るか、事業者とともに検討
■大規模災害・危機と支援について
今回は公共料金と保険料の支払に着目してきっかけとなる情報をまとめました。これらの支援は東日本大震災、熊本地震、西日本豪雨、大規模台風被害など、過去の大規模自然災害発生時の被災地・被災者の支援として、必ずと言ってよいほどに行われてきたものです。このコラムですべてを網羅することはできませんが、「どのような支援があるのか」「どんな支援情報を発信すべきか」については、過去の大規模災害に学ぶことができると考えています。
以下は『被災したあなたを助けるお金とくらしの話』(弘文堂・2020年3月)の目次です。大規模災害時に役に立った法律や支援制度が一覧できます。住まいや職場の損害被害などが主な支援のきっかけになる自然災害と、新型コロナウイルス感染症による経済被害とは必ずしも同様ではありませんが、今後行われるべき支援や今ある支援の検索のの参考になるかもしれません。