【新聞コメント】(共同通信/河北新報他)「7月豪雨 特定災害/積極指定へ政府転換/被災自治体、厳格運用に不満」
河北新報(2020年7月15日朝刊/共同通信配信)「7月豪雨 特定災害/積極指定へ政府転換/被災自治体、厳格運用に不満」にて、岡本正が有識者コメントをしました。令和2年7月豪雨が特定非常災害指定となったことを受けた解説記事です。
乱発はできず
特定非常災害に指定しなくても、特例措置が適用される行政手続きもある。自動車検査証の有効期限延長が一例。道路運送車両法で「天災その他やむを得ない理由」があれば延長できると定めているためで、7月の豪雨でも既に適用した。
一方、食品衛生法に同様の規定はなく、特定非常災害に指定しなければ飲食店営業の許可は延長できない。西日本豪雨や昨年の台風19号では、指定により営業許可の延長を含む約200項目の特例が可能になった。
政府の積極姿勢は維持されるのか。災害法制に詳しい岡本正弁護士は「不安定な面がある」と話す。特定非常災害を所管する内閣府の職員は他省庁からの出向者が大半で、2年程度で異動するケースが多いためだ。
特例措置は、平時なら必要な規制を緩和するもので、乱発はできないという事情もある。それでも被災者支援のために「さらに積極的に指定する余地はある」と訴えた。