【報告/パネル】(科学技術振興機構JST・RISTEX)「社会的弱者を支える個人情報の活用~新しい制度の可能性/災害時における個人情報の活用」
2018年3月12日 独立行政法人科学技術振興機構(JST) RISTEX(社会技術研究開発センター)の「安全な暮らしをつくる新しい公/私空間の構築 研究開発領域」によるシンポジウム『社会的弱者を支える個人情報の活用~新しい制度の可能性』に、岡本正が登壇しました。
(概要・プログラム)
■趣旨
地域には様々な問題を抱えて生活している人がいます。こうした人が周囲から孤立すると、ときに虐待やドメスティックバイオレンスなどの痛ましい事態が生じる恐れがあります。自治体やNPOなどが支援を行うには個人情報の活用が欠かせません。
しかし、個人情報保護法は、特にSOSを出すことが難しい認知症や障害等を抱える人、子どもなどの社会的弱者の同意について明示していません。一方で、こうした人々の意思決定を補う成年後見制度の利用者数は約20万人(平成28年12月時点)と、潜在的なニーズにまだまだ追いついていません。現場は、代諾者の選定、同意の取得方法、あるいは第三者提供の例外規定の適用など、時に難しい判断を迫られながら支援にあたっています。本シンポジウムでは、個人情報の活用に際しての同意に焦点を当てて、個人情報を活用して安全な暮らしをつくる方策を検討していきます。
■プログラム
開会・イントロダクション~公私空間で起きていること
―子どもの同意にかかわる問題 山田 肇(領域総括/情報通信政策フォーラム)
―高齢者の同意にかかわる問題 藤田 卓仙(名古屋大学・慶應義塾大学)
講演 個人情報保護法と代理人の同意 手塚 悟(慶應義塾大学)
講演 安全な暮らしをつくるための新たな制度の可能性について 横野 恵(早稲田大学)
話題提供
―個人情報保護法制2000個問題 鈴木 正朝(新潟大学)
―災害時における個人情報の活用 岡本 正(銀座パートナーズ法律事務所)
―個人情報活用に向けた情報基盤の在り方 松本 泰(領域アドバイザー/セコムIS研究所)