【書籍】『災害復興法学Ⅱ』(慶應義塾大学出版会)
『災害復興法学Ⅱ』 岡本 正
2018年7月 慶応義塾大学出版会
さらなる復興へ そして減災・防災へ
防災とは、災害直後に命や財産を守ることに尽きない。生き残った命を繋ぎ、希望の一歩を踏み出し、生活や事業を再建する知識の備えをすることも「防災」に他ならない。本書は、防災を「自分ごと」にするための防災教育の新たな手法を提示し、被災者が抱えた課題、復興政策の軌跡、防災政策の課題を描き出す。
防災と災害復興は、事前・事後で分けられるものではない。常にサイクルを回すことで完成する。「レジリエンス(強靭性)」というⅡ巻のテーマには、防災、減災、危機管理への強いメッセージが込められている。
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公共政策×復興×防災・減災
慶應義塾大学屈指の人気講座の続編が4年の歳月を経てついに刊行。
復興の智慧を次なる復興に。
被災者の「声」を防災・減災教育へ繫ぐ。
東日本大震災4万件、熊本地震1万2千件、広島土砂災害250件のリーガル・ニーズを徹底解析。「リーガル・レジリエンス」の獲得を目指して新たな防災教育をデザインする。
(目次)
プロローグ 復興から復興へ
第1部 災害時のリーガル・ニーズに学ぶ生活再建の知識の備え
第1章 東日本大震災「リーガル・ニーズ・マップ」
第2章 新しい防災教育~生活再建の「知識の備え」
第2部 復興政策の軌跡 大災害を教訓とした新制度の誕生と課題
第1章 住まい(1) 所有者不明土地の高台移転を加速せよ
~東日本大震災復興特区法改正による土地収用の規制緩和と「第三の法案」
第2章 住まい(2) 二重ローン問題は終わらない
~2つのガイドラインと被災ローン減免制度立法提言
第3章 住まい(3) マンションに救助はやってくるか
~安否確認とマンション防災における個人情報の利活用
第4章 家族の生活(1) 災害関連死と家族の二重苦に終止符を
~審査基準・支給金額の課題と命を守るデータ・ベース
第5章 家族の生活(2) 災害救助法を徹底活用せよ
~避難生活の向上と一般基準・特別基準
第6章 家族の生活(3) 半壊の涙、境界線の明暗
~被災者生活再建支援法の課題と災害ケースマネジメント
第7章 地域と情報(1) 津波犠牲者訴訟と安全配慮義務
~災害後の情報収集力と事業継続計画(BCP)の本質
第8章 地域と情報(2) 続・個人情報は個人を救うためにある
~自治体個人情報保護法の立法提言と消費者安全法の利活用
第9章 地域と情報(3) 必要な情報を必要なところへ
~災害派遣弁護士(DLAT)宣言と災害協定
第3部 復興から防災へ 復興の叡智を未来の防災政策に
第1章 東日本大震災「復興期」のリーガル・ニーズ
第2章 熊本地震と新たな復興モデルの提示
第3章 広島土砂災害にみるリーガル・ニーズの普遍性
第4章 復興から防災・減災へ
エピローグに代えて 2015年ネパール地震:カトマンズ講演に込めた「レジリエンス」の思い