【講演】(神奈川学園高等学校)「災害復興法学のすすめ~被災者支援における弁護士と法律の役割」
2018年9月27日 神奈川学園高等学校国内フィールドワーク研修・事前学習
岡本正「災害復興法学のすすめ~被災者支援における弁護士と法律の役割」
このたび、神奈川学園高等学校にお招きいただき、『災害復興法学』の観点から、東北沿岸部にフィールドワーク研修・調査に赴く高校1年生の皆様に、被災者の生活再建とそれを支える「法律」の役割についてお話しをさせていただきました。災害直後の4万件の被災者の声と、7年以上経過した「今」の声を比較できることを狙いました。
神奈川学園高等学校ではチームに分かれ、全国各地でフィールドワーク研修を実施しています。その中の一つに東日本大震災の沿岸部被災地があります。事前の共通課題として、岡本正『災害復興法学』(慶應義塾大学出版会)の『第2部第2章 破産できない!新たな債務整理制度:住宅の被災ローン減免制度の構築』の章を読破し、課題や疑問点も絞って特別授業を迎えてくれました。高校生にとって必ずしも馴染みのない「住宅ローン」ですが、災害後の被災者の声を学ぶには避けて通れない課題。真剣に調べてくれていました。
東北フィールドワーク研修は、「どうなったら復興といえるのか?」という大きな問いをたて、東北沿岸部の被災地を巡り、調査を行うという、非常に意欲的な学習プログラムです。この問いの立て方は、本当に素晴らしい。道路や建物の復興だけではなく、人の生活の復興に着目しているのです。特別授業では、質疑も大変多くいただき、高校生の熱意に感動しました。11月のフィールドワーク研修が実り多きことを祈ります。