【講演】(三重県/いなべ市)「被災後を生き抜く防災教育 生活再建の法制度と『知識の備え』」
2019年9月1日(防災の日) 三重県主催「伊勢湾台風60年防災訓練」が実施されました。岡本正が、防災意識啓発訓練のなかの「生活再建講座」(於:いなべ市・新庁舎シビックコア)の講師を担当しました。教材には『被災後の生活再建のてびき』を利用しています。
講師:岡本正「被災後を生き抜く防災教育 生活再建の法制度と『知識の備え』」
1.訓練方針
昭和34年の伊勢湾台風から60年が経過し、甚大な被害を経験した住民が少なくなりつつあることから、台風災害が想定される状況でも避難行動を取らない住民が増加しており、貴重な経験の風化が懸念されています。
また近年、地球規模での気候変動に伴う異常気象や大型台風が発生し、世界各地で大きな被害が発生していることから、「スーパー伊勢湾台風」の襲来が懸念されているところであり、こうした台風が当県に襲来した場合、三重県北部地域のいわゆる海抜ゼロメートル地帯では、高潮や木曽三川上流部での記録的な降雨による河川の氾濫等により、甚大な被害が発生する恐れがあります。
伊勢湾台風で多くの人命が失われたこの地域で、過去の教訓を風化させず、二度と同様の被害が発生しないよう、行政や防災関係機関、地域住民が一体となり、「桑員地域防災対策会議」(三重県および桑員2市2町)が現在検討している「桑員地域広域避難タイムライン(仮称)」の作成に資すること、および地域住民の防災意識向上を図ることを目的として訓練を実施します。
2 訓練要領
(1)実施日時・場所等
ア.実施日時 令和元年9月1日(日)8時30分~12時00分
イ.主 催 三重県、桑名市、いなべ市、木曽岬町、東員町
ウ.訓練会場 木曽岬町役場(メイン)、いなべ市役所ほか(サテライト)
エ.想 定 スーパー伊勢湾台風が三重県に接近しつつあり、海抜ゼロメートル地帯では広範囲に高潮及び洪水が発生する可能性が高いことから、木曽岬町は広域避難の実施を決定。以後、広域避難に係る手順を実施します。
(2)主要訓練項目
ア.広域避難訓練(木曽岬町→いなべ市 ※9時10分にバス出発)
木曽岬町災害対策本部にて広域避難に係る連絡調整、いなべ市への受入れ職員の先行派遣、避難行動要支援者によるバス移動等を実施します。
イ.防災意識啓発
(ア)広域避難講演(木曽岬町、9時30分から10時30分)
会場:木曽岬町町民ホール
講師:株式会社山陽新聞社総社支局長 古川 和宏氏
コーディネーター:三重大学大学院工学研究科准教授
川口 淳氏
内容:前半、講師による平成30年7月豪雨の被災経験談(岡山県倉敷 市真備町)。後半は、川口准教授との対談を通して、地域住民に海抜ゼロメートル地域における早期避難の重要性を再認識していただく講演会を開催します。
(イ)生活再建講座(いなべ市、11時00分から12時00分)
会場:いなべ市役所シビックコア棟2階研修室
講師:銀座パートナーズ法律事務所
弁護士・博士(法学) 岡本 正氏
内容:被災者が以後復旧・復興に必要となる法的知識等を広く取得し、住民からの相談に応じることができる行政や社協の職員等を育成する講座を開催します。
(ウ)啓発・展示(木曽岬町、9時00分から11時30分)
一般来場者に対し、風水害に関するさまざまな啓発・展示を実施します。
スタンプラリーも実施します。
ウ.救出救助訓練(木曽岬町、10時30分から11時15分)
台風通過後を想定し、ヘリやドローンによる情報収集活動、垂直避難者の救出救助を実施します。また、木曽岬町役場にて、ドローンの実演も実施します。
3 参加機関
自衛隊三重地方協力本部、四日市海上保安部、中部空港海上保安航空基地、警察庁中部管区警察局三重県情報通信部、三重県警察本部、桑名警察署、公益社団法人中部小型船安全協会、桑名市消防本部、国土交通省中部地方整備局、国土交通省中部地方整備局木曽川下流河川事務所、津地方気象台、三重県・三重大学みえ防災・減災センター、公益財団法人三重県国際交流財団、NTN株式会社自然エネルギー商品事業部、公益社団法人三重県公共嘱託登記土地家屋調査士協会、社会福祉法人木曽岬町社会福祉協議会、桑名市、いなべ市、木曽岬町、東員町、三重県(順不同)